当社と弘前大学との共同研究が、心臓外科・胸部外科における国際学会「欧州心胸部外科学会(EACTS)」2024年学術大会のポスター演題に採択されました。CFDを活用した世界初の血流制御技術の開発による、心疾患・循環器疾患の手術成績改善に貢献する目的の取り組みです。
本演題は、2024年リスボンで開催される学術大会(The 38th EACTS Annual Meeting)で発表されます。
研究の概要
「数値流体力学(Computational Fluid Dynamics;CFD)活用による小児心臓手術における血栓形成リスクの低減」
期待される効果 : 手術の成功率向上と術後合併症の低減
共同研究者 : 小渡亮介(弘前大学胸部心臓血管外科 講師/医師)
BTシャント術において血管を挟み込むクリッピングや血管縫合部で血流が停滞する領域が発生していることをCFD(流体シミュレーション)により明らかにするとともに、クリッピングの方法による血流が停滞する領域の差異について調査しました。
本研究は、2024年6月、世界初の血流制御技術で赤ちゃん・子どもの心臓手術の「血栓トラブル死」減少を目指すプロジェクトとして国家事業である「Fukushima Tech Create」(FTC)におけるビジネスアイデア事業化プログラムに採択されています。
「血流の流路形状をCFDで可視化し、血流制御技術を確立する」
【従来の他手法に対するCFDの優位性】
― 従来の手法が持つ課題を凌駕し、「微小」血管も「3D」で可視化
―「試せない」生体に対してのシミュレーションが簡便に非侵襲的にできる
― 高額だったソフトウェアは、近年クラウド上で計算可能となり低価格化
【当プロジェクトの強み】
ー 信頼関係を構築している医師との協働で、課題に対する解像度が高い
― 専門性高いCFDの技術力と医療への理解力の双方がある
― 医療における課題発掘力に加え、医療者とメーカーを巻き込む事業推進力がある
リンク先より、採択された事業概要を確認いただけます。
■ 欧州心胸部外科学会(EACTS)
世界中の心臓外科・胸部外科をサポートし、専門教育・最先端の学習機会・国際ジャーナルや出版、先駆的な研究を通じてベストプラクティスを広めることで、心臓や肺といった疾患の転帰を改善することを目的とした学術団体です。
共同研究・開発施設や企業の受付について
本研究の開発技術に使われるCFD(数値流体力学)は、血流のほかさまざまな液体や気体の流れを可視化することができます。 機器開発の工数削減や生体への侵襲がない手術設計などに貢献が可能なため、医療はじめ他分野で活用が期待されています。
本技術に関心をお持ちいただけましたらぜひ下記の問い合わせ先にご連絡ください。
お問い合わせ先
担当 香西杏子(出版メディア事業部)
メール kozai@medicalcirculator.com
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